【動画あり】宅トレシリーズ!この1種目で全部鍛える!〜オーバーヘッドランジ〜

「上半身と下半身を分けてトレーニングするのは面倒だ!」
「もっと手っ取り早く全身鍛えられるトレーニングは無いのか!」
そんな方々に朗報です。
これ一つで上半身・下半身だけで無く、体幹まで鍛えられちゃう種目があります。レベルで言うと中・上級者向けですが、是非とも習得してほしい種目でもありますので、今回はそんな万能なトレーニングについて解説していきます。

⑴ 基礎代謝をアップさせる!〜オーバーヘッドスクワット〜

冒頭でも述べた通り、ちょっと褒めすぎではないかと言われてしまいそうなトレーニング。
その名も、『オーバーヘッドスクワット』。
何かカッコいい技のようなトレーニングですが、こちらの種目、名前に負けずかなり優秀なトレーニングです。
まずはどういったトレーニングなのか、写真で見ていきましょう。

『オーバーヘッド』⇨ 手を挙げた状態
『ランジ』⇨ 片方の脚を縦にずらした状態

この2つを組み合わせたトレーニングです。
『ランジ』はさらに、

・片方の脚を前に出す、フロントランジ。
・片方の脚を後ろに出す、バックランジ(上記写真)。
・片方の脚を真横に出す、サイドランジ。

以上の3種類に分けられます。
今回は、バックランジ+オーバーヘッドを組み合わせて『オーバーヘッドランジ』と総称します。
脚を出す方向によってトレーニングの目的や効果が少し変わってくるのですが、今回の記事では割愛させていただきます。

写真からもわかる通り、上半身と下半身を大きく動かしたトレーニングになります。
身体の中でも大きな筋肉を使うため、この1種目をたった10回行なっただけでも、身体が温かくなるのがわかるほどです。もちろん、ウォーミングアップをせずにいきなりオーバーヘッドランジから始めるのはオススメしませんが、メニューに取り入れることで全身の代謝アップに繋がります。

機能的に身体を使う

オーバーヘッドランジは、少し難しいトレーニングに見える方も多いと思います。
「スポーツ選手向けのトレーニングだな。」
「ただダイエット目的の私には必要なさそう。」
こういった声もよく聞きます。
しかしアスリートはもちろんですが、一般的なダイエットやボディメイクを目的とした方も実践してほしいトレーニングです。中にはリハビリを目的とした方にも推奨されるような種目になります。(※)

なぜそんなに万能な種目なのでしょうか。

それは、より身体を機能的に使ったトレーニングだからです。
例えば、スクワット。
横に脚を広げて上下に身体を動かす種目ですが、ランジの場合は脚を前後に広げて行ないます。
これは日常生活の中で、歩く動作に繋がります。

両手を挙げる動作は、腕だけでなく背中の筋肉を使います。
背中の筋肉は座っている時、立っている時などの姿勢を保持したり、床にある物を持ち上げる時などに働く筋肉です。また、両腕は1日を通してもよく動かす部位でもあります。

このようにオーバーヘッドランジという種目は、その動き自体が人の身体の機能を再現したトレーニングになりますので、より『機能的なトレーニング』になるのです。

日常生活動作に近い動きをトレーニングすることにより、複数の関節や筋肉を刺激することができ、
・アスリートのパフォーマンス向上
・リハビリによる動きの改善
こういった効果が大きく期待できます。
※ リハビリ目的でトレーニングする場合は、医者・指導者の先生と相談しながら行ないましょう。

⑶ オーバーヘッドランジのポイントと注意点

オーバーヘッドランジは多関節トレーニングになります。
多関節トレーニングというのは、2つ以上の関節を動かすトレーニングのことです。
膝関節・股関節・肩関節など、2つ以上の関節を同時に動かしてますよね。
その分気をつけるポイントや注意点は増えますが、今回は3つ紹介していきます。

腰を反らさない。
前側の膝が前に出すぎない。
両手を真っ直ぐに挙げる。

腰を反らさない

両手を挙げる動作は、連動して胸を張る動きに繋がります。
ここで注意してほしいことは、『胸を張る』ことと『腰を反らす』ことをしっかり区別するという点です。
よくある間違いとして、姿勢を良くしようと胸を張って歩く方がいます。
しかしこの歩き方は、実は胸を張っているのでは無く、腰を反らしていることが多くあります。
自分では胸を張っているつもりが、ただ腰が反っていて胸が張っているように見えてしまうんですね。
普段の生活でこの姿勢が続くと要注意。
だんだんと腰にかかる負担が大きくなり、痛みの原因になります。
トレーニングを行なっている時も同じです。
良いフォームをつくるためには、確かに胸を張るということは大切かもしれません。
しかし腰が反る動きの方が大きくなっしまうと、一見きれいなフォームに見えるのですが、実際は正しく筋肉が鍛えれていない状態です。
自分の姿は正面からだけではなく、側面も確認するようにしましょう!
腰が反らないことを第一に、無理のない程度に胸を張っていきましょう。

前側の膝を前に出しすぎない

写真を例にあげてみましょう。
左脚を後ろに下げて、右脚が前に出てる状態になっています。この前に出ている右脚の膝を、前に出しすぎないように注意していきましょう。
基本的に前に出している脚は、『つま先』と『かかと』がしっかりと床に接地していることが大前提です。
きちんと床に接地していれば、膝が前に出ることはほとんどありません。
しかし、人間の身体はつい『つま先』(前側)重心になっていまう傾向にあります。
そうなると、『かかと』が浮いてしまい、膝が前に出る姿勢になってしまいます。
膝が前に出ると、前側の太ももに力が入りやすくなり、正しく下半身のトレーニングができません。
あくまで、足裏は床に接地していることを確認しながらトレーニングしていきましょう。

両手を真っ直ぐに挙げる

しっかりと両手を耳の横に挙げて行ないましょう。
よくある間違いとして、身体が前に流れてしまい、『前ならえ』に近い姿勢になってしまうことがあります。
耳の横まで両手を挙げることで、背中や体幹の筋肉が鍛えられます。
ただ、耳の後ろ側までは挙げないように注意しましょう。
過度に挙げすぎてしまうと、上記でも説明した『腰が反る』動作に繋がってしまいます。
トレーニング中も肘が曲がらないように、指先まで意識した状態で真っ直ぐ挙げていきましょう。

⑷ こんな人にオススメ

オーバーヘッドランジは、関節や筋肉をたくさん使います。
たくさん使うということは意識するところもその分多いので、神経系の活性にも繋がるということです。
しかし、トレーニング初心者の方にはオススメしません。
冒頭でも記載した通り、中・上級者向けの種目です。
そもそも膝が痛い方や、肩が耳の横まで挙がらない方は、まずはその問題点を改善することを優先しましょう。
もちろんオーバーヘッドランジに挑戦することはOKです!
鏡で自分の動きを確認する、または誰かにフォームを見てもらい、どうしても正しいフォームをつくることが難しい場合は、少し難易度下げたトレーニングから始めると良いですね。

動画はこちら


▼ライター
高月宏和(Hirokazu Takatsuki)
スポーツ系の専門学校を卒業後、J1リーグに所属する静岡の清水エスパルスに入社。
一般の方からプロ選手までのトレーニング指導を5年経験したのち、パーソナルトレーナーとして独立。独立から7ヶ月後にパーソナルジム『BodyBrand』を設立。
主に一般の方の『美姿勢づくり』『ダイエット』をサポートするパーソナルジムとして定評があり、現在は5名のトレーナーと活動中。