筋トレすると太る?その原因と解消法

筋トレ太りの原因と解消法

これまでの筋トレは男性がやるもの。もしくはスポーツ選手がやるもの。というイメージが根強くありました。今は「筋トレ女子」という言葉があるほど、女性にも浸透してきました。腹筋を割りたいという女性もいるほどです。運動施設も増え、ダイエットやボディメイク、健康増進に関わらず筋トレを取り入れている方は多いのではなでしょうか?しかし、筋トレは「やり方」を間違えると効果を得られないばかりか、筋肉太りを引き起こしてしまいます。今回は筋トレで太る原因と解消法をご紹介します。参考になれば幸いです。

筋トレで太る原因

一般的な筋トレ法

鍛えると「太る」と思っている方は多いと思います。とくに女性で誤解されている方が多いように感じます。これは半分正解で半分間違いです。そもそも一般的な筋トレは筋肉を太くするために行います。スポーツジムでの案内も筋肉量を増やすトレーニング法が案内されます。4種類ほどのマシンを案内され「10回できるかできないかの負荷で行ってください」と言われたことはありませんか?その方法が筋肉を太くする方法なのです。これは「スタッフの案内を統一するため」と「筋トレの効果を出すため」です。決して間違った案内ではありません。しかし、「細くしたい」というニーズには当てはまらない可能性があります。

姿勢が悪い

「猫背」「骨盤の歪み」「巻き肩」などの不良姿勢は筋肉太りを助長します。姿勢が悪いというのは言い換えれば筋肉のバランスが悪いということです。「よく使っている筋肉」と「ほとんど使っていない筋肉」でアンバランスが生じているのです。厳密には姿勢が悪くなり筋肉のバランスが崩れます。不良姿勢のまま日常生活を送ると、どんどん姿勢は悪くなります。筋トレを行った場合、普段使っている筋肉ばかり使ってしまうために局所的に筋肉が太るのです。例えば「太モモの前面が気になる」という方は太モモ前面に依存した「立ち姿勢」「体の使い方」が染み付いています。そのままトレーニングを行えば、やはり太モモ前面を過剰に使ってしまうため太くなっていきます。筋肉は使えば使うほど太くなるので当たり前です。「姿勢が悪い」と言われた経験がある方は、姿勢を整えてから筋トレや運動を行うことをお勧めします。

体が硬い

「前屈みができない」「足首が硬い」なども筋トレの邪魔をします。体が硬いこと全てが悪いというわけではありません。筋トレはフォームが大切ですが、体が硬いがゆえに正しいフォームでトレーニングが行えません。その結果、無駄な筋肉を付けてしまい、それが太る原因にもなります。例えば「背骨が硬い」方が腕立て伏せをしたとします。胸の張りが出ず、腕ばかり使うため腕が太るのです。これは現場でよく見かけます。また、体が硬いと動きのひとつひとつが小さくなるので、運動の消費量も低下します。柔軟性の獲得も必須ということです。

筋肉太りは頑張れば頑張るほど太さを助長します。現代では「正しい姿勢」の方をほとんど見かけません。デスクワーカーや運動不足の方は、「鍛える」前に「整える」ということが重要です。

筋肉太り解消法

筋トレは鍛えたい部位に応じた種目を選択します。脚をキレイにしたければ脚のトレーニング、お腹を6つに割りたければ腹筋を行います。YouTubeなどの動画も、目的別に「ぽっこりお腹のための腹筋」「二の腕引き締めのトレーニング」「桃尻エクササイズ」など細かく分けてトレーニングを紹介しています。しかしこれらの筋トレで、どれだけの人が理想の体に近づけたでしょうか?

負荷設定

筋トレは種目選択の他に「負荷」の設定が非常に重要です。以下、目的に応じて設定します。

①筋肉の力を上げたい
・負荷強度 85〜100%
・最大挙上回数 1〜5回

②筋肉の量を増やしたい
・負荷強度 65〜85%
・最大挙上回数 8〜12回

③持久力を上げたい
・負荷強度 60%
・最大挙上回数 15〜20回

※負荷強度とは、あなたの力が最大100として、どれだけの力を発揮しているかの指標です。
※最大挙上回数とは、限界まで上げられる回数のことです。例えば筋肉量を増やすために10回を目安に負荷設定したとします。これは限界の回数を示しているため「10回で終わり」では限界に達していません。すなわち「11回目ができない」というのが最大挙上回数の10回です。

上記でわかることは、②の8〜12回を設定したトレーニングは「筋肉を太くする」ということです。①と③に関しては筋肉が太ることは起きないと言われていますが、トレーニング初心者や女性が①のような限界に近いトレーニングを行うことは非現実的かと思います。したがって、③の15〜20回できる負荷を設定し、トレーニングを行うことが最適な回数と言えます。

ヨガやピラティスを取り入れる

ヨガやピラティスで「柔軟性」と「キレイな姿勢」を身に付けましょう。最近ではフィットネスクラブに必ず導入されています。先に述べたように「姿勢が悪い」「体が硬い」状態では効率的に筋トレが行えません。また、自身で弱点を見つけ克服することは容易ではありません。1対複数人の指導ではありますが、ヨガで柔軟性をピラティスでキレイな姿勢を手に入れましょう。

むくみ

むくみも間接的に筋肉太りを助長させます。むくみとは水分が表面に溢れ出ている状態で、逃げ場を失った水分が二の腕や内モモを太く見せます。細くしたい部位のトレーニングを行うとその部位に水分が集中します。失った栄養などを補給するためです。もともとむくみがあるにもかかわらず、より水分が集中するため太く感じるのです。むくみがある部位は指で押すと、張りがなく押した跡が残ります。普段から運動量が少なく汗をかかない方は要注意です。他、「塩分」「水分」「糖分」の摂り過ぎやタンパク質などの栄養不足が原因でむくみを引き起こすこともあります。「運動量を増やすこと」と「バランスの良い食事」を意識することが重要です。

パーソナルトレーナーを付ける

最も効率的に目的を達成する方法が「パーソナルトレーナー」を付けることです。パーソナルトレーナーとは運動を専門としたトレーニング指導のスペシャリストです。体の仕組みや筋肉を深く理解し、栄養まで熟知しています。パーソナルトレーニングは筋トレの指導だけではありません。姿勢を細かく分析し姿勢改善のためのストレッチ法や脂肪を落とすための食事法まで多岐にわたる指導をしてくれます。スポーツジムをはじめパーソナルトレーニング専門のジムで受けることができます。最近ではオンラインパーソナルトレーニングも注目を集めています。オンラインパーソナルは直接指導することはできませんが、スマホやパソコンなどの画面越しにさまざまなアドバイスをしてくれます。忙しくて時間に余裕がない方や近所に運動施設がない方にお勧めです。初回のパーソナルトレーニングは、無料もしくは低単価で体験することができます。ぜひご検討下さい。こちらからジムを探すことができます。

あなたの求める理想はどれ?

例えば「二の腕を細くする」「二の腕を引き締める」と言葉は似ていてもトレーニングの方法は変わります。「細くする」とは言葉の通りサイズを小さくします。引き締めるとは張りを出すことです。すなわち「張り」とは、太くなったとしても引き締まった二の腕と言えるのです。筋肉を付けてメリハリのある体を作りたいのか?単純に細くするだけなのか?あなたの求める理想に直結するトレーニング方法を選択しましょう。

▼ライター
谷口一樹(Kazuki Taniguchi)
現在は、パーソナルトレーナー兼インストラクターとして都内で活動中。 大手フィットネスクラブトレーナー養成の帯同やセミナーの開催、フリーランス向け懇親会を主催している。 フィットネス業界は他業種に比べフリーランスが多く、各個人が活躍できるために日々、奮闘している。モットーは「人と人との間でしか感動は生まれない」スポーツ歴:野球(甲子園2大会出場)ソフトボール(全国3位)