有酸素運動と筋トレ、どっちが痩せる?

有酸素運動と筋トレ、どっちが痩せる?

ダイエットを達成するためには、消費カロリーが摂取カロリーを上回る必要があります。消費カロリーが上回ることで、足りないエネルギーを脂肪などから補うためです。その結果、体重が減少します。しかし、運動にはさまざまな種類があり「どのような運動を優先的に行えば良いか?」で頭を抱える方は多いのではないでしょうか?今回は、有酸素運動と筋トレでどちらが痩せるのかを比較したいと思います。それぞれの運動効果を理解し、目的に合わせて選択できるよう参考になれば幸いです。

有酸素運動とは?

まず有酸素運動とは、長時間継続可能な運動のことを指します。一般的には、「身体にある程度以上の負荷をかけながら、ある程度長い間継続して行う運動」はすべて有酸素運動となります。

▶︎野外で行うもの
・ウォーキング・ジョギング・サイクリング
▶︎屋内で行うもの
・エアロビクス・ステップ台を使用するエクササイズ。
▶︎プールで行うもの
・水泳・アクアビクス

有酸素運動の効果

有酸素運動を行うことによって多くの健康促進効果が期待できます。心筋(心臓を構成する筋肉)を発達させ、血液の循環を効率的にすることや平常時の心拍数を下げる効果があります。また、血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール )を減少させ、HDLコレステロール(善玉コレステロール )を増加させます。ウォーキングやジョギングのようなリズム運動は不安や抑うつ感を軽減する効果もあります。そして何より中性脂肪を減少させます。有酸素とはその名の通り、酸素を使用してエネルギーを発生させます。酸素を消費しながら、効率的に脂肪や糖をエネルギーに変えていくため脂肪が減少するのです。糖質は体にとって利用しやすい物質なのですが、貯蔵量は多くはないので安静時はあまり多くは使われません。つまり強度の高い運動時は糖が優先的に使われるようになります。運動強度が低い場合には脂肪とグリコーゲンの燃焼比率は1:1であるが、運動強度が高まるに従って脂肪よりもグリコーゲンの燃焼比率が高まると言われています。これが有酸素運動の脂肪減少をさせる要因です。

筋トレ(無酸素運動)とは?

筋トレは有酸素運動ではなく、無酸素運動の仲間です。無酸素運動とは、短い時間に大きな力を発揮する強度の高い運動を指します。体を動かすためのエネルギーを、酸素を使わずに作り出すことからこのように呼ばれています。エネルギーの発生に酸素を必要とせず、糖をエネルギー源として利用します。全力もしくはそれに近い筋力を短時間で発揮しやすいのが特徴です。

▶︎一般的なもの
・筋トレ・自宅トレ
▶︎スポーツ
・短距離走・50mスイム・ゴルフ・相撲・バスケットの速攻など

無酸素運動の効果

主に筋肉の強化と基礎代謝の向上が期待できます。「筋肉の量を増やす」「筋力を向上させる」などの効果を得るためには、運動強度が高いものを選択する必要があります。年齢を重ねるにつれて筋肉は減少していきます。とくに速筋と呼ばれる種類の筋肉が減少していくために生活の質が低下していきます。この速筋を鍛えるためには筋トレ(無酸素運動)が必須です。また、基礎代謝が向上することで日常生活のカロリー消費量が増加します。その結果、痩せ体質を作ることができ日常的に脂肪などのエネルギーを消費できるのです。

有酸素運動と筋トレはどっちが痩せる?

直接的に脂肪を燃焼するのであれば有酸素運動がお勧めです。しかし、筋トレを行うことによって基礎代謝の向上が見込めるので、痩せ体質を作るためには筋トレが必要です。すなわち「痩せる」という観点ではなく、その他の効果や目的に応じて両者を選択することが重要です。

女性の場合

女性は男性に比べて筋量が少なく、基礎代謝が低いのが特徴です。毎日ウォーキングをしても停滞期を迎える方は珍しくありません。筋トレを取り入れ基礎代謝を向上し、体重減少の促進とリバウンド対策を行いましょう。また、筋量不足から反り腰やX脚などの方を多く見かけます。有酸素運動は長時間行う運動ですが、アンバランスな体であればその分関節などに負担がかかりますし、アンバランスをどんどん助長します。

筋トレを行い「正しい姿勢」「正しい体の使い方」を習得することで体の負担を取り除きましょう。正しい体の使い方は「美脚」「美尻」などのボディメイクにも重要です。体がアンバランスということは使いすぎている筋肉があります。使い過ぎればその筋肉は太くなります。前モモの張りが気になる方や二の腕がなかなか引き締まらない方はトレーニングで整えていきましょう。その上でパーソナルトレーナーを付けることをお勧めします。

※オンラインパーソナルトレーニングのジムを探したい方はこちらからどうぞ!

理由は2つあります。1つは筋量が少ないうちは筋トレがうまく行えないということです。トレーニングを行う際に代償として、体が反ったり傾いたりすると目的の筋肉に効かせることができません。その場合、筋トレのための「補強運動」が必要です。補強運動とは弱い筋肉に刺激を入れて体が反ったり傾くことを防ぐ運動です。この補強運動はお客様1人ひとりの体に合わせてご案内するためトレーナーの専門知識が必要です。これからトレーニングを取り入れる方は1〜2ヶ月ほどトレーナーを付けると良いでしょう。

2つ目はバリエーションを増やすことです。人の体は想像以上に慣れるのが早い。トレーニング開始時は筋肉痛があったが最近全くないということはありませんか?女性の場合、自宅トレでも十分なトレーニング効果を得られるのですが、マシンや器具が無いのでマンネリ化しやすいのです。目標に近づくためには定期的に刺激を変化させ、体を慣れさせないことが重要です。専属のトレーナーがいることでさまざまな相談もできます。ぜひオンラインパーソナルを活用して理想の体を手に入れてください。

運動が不足している場合

世の中が便利になり運動する機会が減りました。1日5000歩以下は運動不足と言われています。運動不足の方がいきなりトレーニングというのは難しいかもしれません。そんな方は日常生活の有酸素運動量を増やしましょう。もちろん筋トレを行い、姿勢を改善し、柔軟性を向上させることも重要ですが、まずは運動に慣れることが大切です。いきなりスポーツジムに通うより、日常生活で「一駅歩く」「階段を使う」「一度の買い物を小分けにして回数を増やす」など運動機会を増やしましょう。有酸素運動の良いところはハードルの低さです。日常生活そのものが有酸素運動なので、単純に動く機会を増やすだけで結構です。スポーツジムに来られる方で、何時間もレッスンに参加する方よりも日を分けて複数回レッスンに参加する方が痩せていくように感じます。最終的にトレーニングは必要ですが、まずは動く「回数」「日数」を増やしましょう。

まとめ

痩せやすい順に①筋トレ+有酸素運動が一番痩せやすく、次に②有酸素運動のみ、③筋トレのみと続きます。筋トレが痩せないというわけではありません。あくまで体重減少を目的とした場合にこのような順になります。また、減量中は筋肉の増量は期待できません。これは体が脂肪も筋肉もエネルギーとして使用するからです。ダイエット中の筋トレの目的は「基礎代謝の向上」「姿勢改善」「アンバランスの改善」です。目的に応じて運動パターンを変え、効率的にダイエットを進めてください。

▼ライター
谷口一樹(Kazuki Taniguchi)
現在は、パーソナルトレーナー兼インストラクターとして都内で活動中。 大手フィットネスクラブトレーナー養成の帯同やセミナーの開催、フリーランス向け懇親会を主催している。 フィットネス業界は他業種に比べフリーランスが多く、各個人が活躍できるために日々、奮闘している。モットーは「人と人との間でしか感動は生まれない」スポーツ歴:野球(甲子園2大会出場)ソフトボール(全国3位)